腸によるトラブル

脳卒中

2012年12月4日、Nature Communicationにスウェーデンの研究者が動脈硬化症患者と健常者の腸内細菌叢を比較して両者の大きな違いを報告した論文が掲載されました。

※腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう:ヒトや動物の腸内で一定のバランスを保ちながら共存している多種多様な腸内細菌の集まり。腸内フローラ。)

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この論文によると、動脈硬化症患者の腸内細菌叢では炎症を起こす微生物が多く存在しており、カロテノイドという脂質代謝を改善する抗酸化物質を生産する微生物が少ないと報告されています。

動脈硬化症は血管内の炎症と脂質の蓄積が原因で起こる疾病です。
なので腸内細菌の偏りもこの疾病に関与している可能性が非常に高いと考えられます。

論文ではプロバイオティクスの摂取を勧めており、腸内細菌叢の正常化がまた新たな疾病予防につながると報告されています。

また、脳卒中の患者と健常者の別の比較調査の結果で、脳卒中になった人の中で唯一食べている量が少なかったのはヨーグルトだという報告もあります。
さらに健康的な食事に対する意識にも違いがあり、健常者は、野菜や健康食品を食べ、塩分、脂肪分、糖分を控える傾向にあったようです。

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脂肪分の高い食事を中心に食生活を続けていると、腸内環境の細菌バランスが乱れ、善玉菌が減少し、悪玉菌が増殖します。

増殖した悪玉菌により、老廃物は腐敗し、腸内に長く留まってしまう便秘を引き起こし、腸内環境は悪化していきます。
悪化した腸内環境では栄養素の正常な消化吸収が行われません。

さらに悪玉菌は毒素を出すようになり、腸壁を傷つけます。
傷ついた腸壁から悪玉コレステロールや未消化物が血液に侵入し、血管に留まり動脈硬化を発症します。

その結果、脳卒中を引き起こすのです。

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あらゆる病の原因となりうる腸内環境。
まさか脳卒中の原因が腸にあるなんて・・・と思われた方も多いのではないでしょうか?

腸は必要な栄養素を消化吸収することにより、全身に栄養を供給している大事な器官です。
この腸内環境が悪化すれば血液はドロドロとなって動脈硬化を発症し、脳卒中のリスクを高めます。

乱れた食生活を続けているが特に症状も現れていないから大丈夫だろう、などとは思わないでください。
その腸内環境は確実に悪化しています。

そしていつの日か突然、脳卒中を発症する可能性は、食生活を改善しない限り少しずつ進行していきます。

前述した研究報告に記載されているように、プロバイオティクスが多く含まれたヨーグルトを摂取するなど、少しでも腸内環境を改善するための習慣を取り入れましょう。